タグ:笑い ( 6 ) タグの人気記事

『芸術脳』 茂木健一郎

 脳科学者・茂木健一郎とクリエイティブで活躍する著名人たちの対談集。最近Twitterで茂木さんのツイートを読んでいて、サッカー観戦中のはっちゃけたつぶやきや、議論を巻き起こす問題提起力に改めて面白い人だなぁと感じ、積ん読本の山から掘り出して読了した。
 対談の中で特に印象に残ったのが、イギリスのコメディ、『リトルブリテン』のマット・ルーカスとデヴィット・ウォリアムズ、『広告批評』の編集長、天野祐吉、『東京タワー』のリリー・フランキー。
 なかでも『リトルブリテン』のユーモアについての話は、最近僕の日記のテーマであった“笑い”について真剣に考えることについての彼らなりの答えが見えて、とても面白かった。
マット:思うに、(イギリスには)題材になるなにかがしっかりしたものなら、コメディで笑われたくらいでは揺らがないっていう確信があるんじゃないかな。

デヴィット:対象からユーモアを見いだすことは、それを祝福することだと思う。ユーモアがあれば、そこに人間性や生命力も見えてくるじゃないですか。
 確かにユーモアは英語で書くとHumorで、Human(人間)と同じ語源を感じる。また、階級社会だったイギリスでは最初からタブーを題材とするコメディが受け入れられたわけではなく、多様化する社会の中で変化を敏感に感じ取ったモンティ・パイソンなどの過激なコメディが作られるようになって論争が巻き起こり、みんなが意識するようになった。それが下地になり今の『リトル・ブリテン』があるんだ、という話は、タブーに囚われてしまう日本人として身につまされる。
茂木:社会がタブーだと見なしているトピックに対して笑うことで、そのタブー全体の本質や形をよりクリアに理解することができるんですよ。
 笑うことで壁がなくなるのは事実。ユーモアで新たに見えてくる部分があるということを日本人も気づくべきだと思う。強く共感した。他にも、“笑い”について、ここ最近考えてきたことと重なる部分が多く、また、僕も好きな『リトル・ブリテン』の製作者たちの本音が聴けてしびれる読書体験だった。長くなるのでこの辺で。
 天野祐吉氏との対談では“批評”について、このブログで本の感想について書くときにためになる話が多く、リリー・フランキーとの対談ではゆるいけど本質的な、独特な空気を味わえた。これらはどれも本の後半部分で、前半部分と繋がるテーマが多く、読み進めるうちに、あ、あの話だと気づいて何度も本をめくって見直した。これだけ一貫性のある対談集になったのも、茂木さんの引き出す能力の賜物だと思う。
 それと、本の中で、パリの地下墓地(カタコンベ)が言及されていたのだが、そこを読んで家に帰ると偶然見たTVでまさにその場所が紹介されていた。そんな不思議なシンクロ体験もあってびっくり。他にもユーミンやいとうせいこうなどさまざまな人が出てくるので、別の機会にも繋がりそうな気がする。またどこかで引用させてもらおう。


[PR]
by yuzuruzuy | 2011-02-05 23:58 | 読書

『バリバラ』

NHK教育で毎週金曜日20:00~放送されている『きらっといきる』
この番組の毎月最終週放送回で流れているバリアフリーバラエティー
略して『バリバラ』

昨年末に偶然見て衝撃を受けました。
出演しているのは障害者の人々。
障害を持った人々が笑いを通して自分を表現するという趣旨の番組です。

僕が見た放送回でやっていたのは、イギリス公共放送BBCとのコラボレーション企画
むむっ、BBCといえばこの前の被爆者ネタが脳裏を過ぎりますな。
イギリスで実際に放送されているラジオ番組の様子が流れていました。
投稿者の持つ障害の名称を、同じく障害者であるパーソナリティーが質問して当てるというコーナー。
答えとして障害の症状の名前が、日本の感覚ではこんなノリでいいの!?てな勢いで飛び出していました。
しかし出演者たちは陽気にそれらを笑いに変えて放送しています。
さらに、脳性まひの女性コメディアンも登場。
ライブ会場のイギリス人たちは彼女のトークに爆笑。
す、すげぇ…さすがイギリスのユーモア。
そう思うと同時に、これ、日本でやって大丈夫なん?
視聴後、かなーり考えさせられました。
NHK、攻めよるなぁ…

そして年が明けたある夜、テレビをつけるとその『バリバラ』のスペシャル版として、
『笑っていいかも!?』と銘打ち、2時間も放送していたからまたビックリ。
目玉は“SHOW-1グランプリ”という、障害者たちが笑いで戦う企画。
なかでも優勝した“脳性マヒブラザーズ”という脳性まひのコンビによるコントに衝撃。
脳性まひの医者の元に来た、脳性まひの患者。
“体調が悪くて…風邪だと思うんですよ。”そう主張する患者に、
“どこが悪いんですか?”と問診を始める医者、その結果、
“分かりました!あなた…脳性まひですね!”医者が宣告すると、
“いや、風邪だと思います!”と認めない患者。
そんなやりとりの応酬。
自分たちの武器をこれでもかというくらいに生かした、彼らにしかできないコントです。
そこには某局のチャリティ番組にあるようなお涙頂戴的感動はなく、
絶妙な間の取り方や台詞選びに、純粋に笑わされてしまいました。

他の企画ではそれぞれの障害の重さに合わせた距離からスタートする超短距離走や、
障害者が健常者にドッキリを仕掛けるといった際どすぎる内容に、“笑っていいのか!?”状態。
僕は面白い場面には笑いましたが、不快に思う人もいると思います。
また、自分が彼らと同じような障害を持っていたら素直に笑えるのかと問われると、
はっきりとは答えられないとも思います。

NHKらしく、障害について、そしてこの番組の捉え方について討論するコーナーもありました。
その部分だけでなんとか放送する意義を保っていたといっても過言ではありません。

障害について笑わせながら考えさせる斬新かつ大胆な試みに、思わず見入ってしまいました。


自分の経験を思い出しました。
小学校の掃除時間に、特別学級(呼び名は正しいのかな?)の子との掃除を任されたことがあります。
障害の名前は分からないけれど、脳性まひと思われる車椅子のN君と一緒に掃除をしていました。
そのときの自分はどんな気持ちで一緒に掃除していたのだろう?
可哀想という感情はなかったけれど、言葉も通じているのか分からなくて、
N君の分の雑巾を絞って“ここ拭いてね”と話しかけ、返ってくる声色で今日は元気だなとか、機嫌が悪いのかな?などと思うしかありませんでした。
彼は僕のことをどう思っているのか?覚えているのか?などと考えたこともあります。
無意識のうちに境界線を引いていたかもしれません。


中学、高校、大学では障害を持つ人と関わることもなくなりました。
だから久しぶりにこのような番組を通して考えさせられて、
自分の触れていない世界にまた目を向けるきっかけになったと思います。
小学校では、障害者を差別してはいけないと習ったけれど、
そこには話題にすることさえタブーとしている雰囲気があります。
この番組は、その“差”を笑いで埋める試みなのだと思いました。
そして誤解を恐れることなく議論していかなければというメッセージも感じられます。

使い古された表現だけれど、“障害は健常者が作ったコトバ”でしかない。
障害者は不自由なのではなく、むしろその特徴がなければできないことがある。

障害者も健常者も一緒になって笑えたら、
それが本当のバリアフリー。

この前の被爆者を取り上げたBBCの問題とも重なり、
“笑いは世界を救うのか?”
きれいごと(理想)と厳しい現実を結びつけるために笑いはあるのかな。
また深く考えさせられる体験でした。


よいこ日記でごめんやす。

最後に、番組HPに載っていた、障害に関する川柳コーナーからの一句でやんす。

ぼくの皿 おさげします?と 妻に聞く 

レストランで店員が、障害者の“ぼく”のお皿を下げるとき、“ぼく”ではなく妻に聞いたという体験を詠んだもの。

鋭い…



バリバラ、良かったら観てみてください。
[PR]
by yuzuruzuy | 2011-02-01 02:12 | 表現

続・笑える世界

おととい書いた被爆者をネタにしたBBC番組について、
Twitterでも話題になっていて、そこから興味深いページへのリンクが載せられていた。
ここからもリンクさせていただきます。


そして問題となった番組映像も。
コメントで議論が交わされているのも
TVニュースだけだと分からなかった部分が見えてくる。



全てが全て“嘲笑”という風には受け取れないし、ニュースでは流れなかった、
イギリスの鉄道をネタにするところなど、コメディとして笑える部分もあるように思えた。
“被爆者”自体を笑い者にするのではなく、その人物に対しての敬意もあって、
あくまで笑わせているのはコメディアンの発想なのだと捉える事ができるかどうか。
それができてるのかな?いや、そこまで深く考えてないだけかも(笑)
にらめっこみたいなもんで、笑ってしまったら負け。
それはそれで分かりやすい。

日本には“笑う”ことを一方的に悪いことだと思う風潮がある。
そう考えると関西に来て強く感じた、笑われることを“おいしい”と思えるユーモアは凄い。
“笑われる”と思う以上に“笑かしてやる”っていうのが強いから、
貧しさとか、性格の暗さとかネガティブに受け取られがちなものも笑いに転化してしまう。


マスコミの世論を煽動するような報道の仕方や、
原爆をタブー化してすぐに蓋をしてしまう日本人の価値観についても、
見直していかなくてはならないと思った。

んーそんなこといちいち考えてたら簡単に笑えないな。

日本が抗議して価値観をぶつけたことは正しいと思う。
ただ“謝れ”だけで済ますんじゃなくて、
そこから議論が進んでお互いの価値観を理解することが必要だ。
[PR]
by yuzuruzuy | 2011-01-23 20:27 | 表現

笑える世界、つくろうや。

BBCが広島、長崎で二重被爆した男性を「世界一運が悪い男」とジョークにして放送したらしい。
イギリスの皮肉な笑いは好きだけど、国営放送でこれは…いくらなんでもやりすぎ。
今回放送された映像を見ると“無神経”としか言いようがない。

悲劇の中に喜劇を見出すような笑いはよくあるけれど、
原爆は日本人にとってナイーブすぎるテーマで、悲劇にしかならないからなぁ。
イギリスが被爆国だったらそれすら自虐的に笑いのネタにするのだろうか?
そのジョークに国民は笑うのだろうか?
しかし逆にそれを日本がやってしまったら、国際的な目は変わるのではないだろうか?
その自虐ネタができるのは日本だけ。これは武器にもなる。
日本おもろいやん!腕上げたなぁ…!
…なんて事には、なるわけないな。あくまで妄想です。

今思い出したが、広島では小学校のとき夏休みに“原爆教育”というのを受けていて、
毎年原爆についての映画を見せられた。
その中で、なぜ広島が選ばれたのかというシーンで、いろいろな要素があったなか、
最終的には実行される日の天気で決まったという。
それを知った幼い僕の純粋な反応は“何で広島なんじゃ”という無責任な考えだった。
もはや“運悪いな”と同じくらいの感覚だったかも知れない。まだまだ子供だったな。


僕の祖父は広島で被爆したけど、それを「運が悪かった」などとはひとつも思ってないはず。
むしろ被爆後何の後遺症もなく助かったことを「運が良かった」と思っている。

でも外国からみたら、原爆投下も「不運」な出来事と片付けられてしまうのだろうか…
立場の違いでこれほどまで受け取り方が違う。笑える人もいれば笑えない人もいる。


ひとつの表現に対して、相手がどの部分に不愉快になっているのか?
どの部分に笑っているのかは、相手によって違う。
そこんところを深く考える必要があると思った。

この番組を放送した人も、深く考えてなかったのだろうけど、
イギリスが核保有国だと思うとなおさら笑えない…


いつか核兵器がない世界で、
原爆が“ありえない話”として、
世界中の人を笑わせている事を願います。
[PR]
by yuzuruzuy | 2011-01-21 19:55 | 表現

『プロフェッショナル 松本人志』

笑いは、生き物
鮮度が大事


ガキ使の企画会議の映像
30分そこそこの番組のために4時間以上も会議する
常に新しいことをやろう悩んでる姿が見られた。

次回作の主役は素人。
その人について。
世界でいちばん面白いやつって、世界でいちばん面白くないやつなんじゃないか。
自分で面白いと思ってないあんなに面白くない人がいないくらいに面白くないから、めちゃくちゃ面白い。表裏一体やと思う。だから魅力を感じる。


飲みの席でのちょっと深い話
おれが今だったら、お笑いやってないかもしれない。今は笑いが重宝されすぎてる。おれらのころはもう漫才ブームが終わったころで、芸人の価値がいちばん低いとき。だから頑張れた気がする。なにくそ根性でやってこれた。

子供の頃自転車を買ってもらえず、自転車に乗っていると仮定して店の前でスタンド立てる振りしたりしながら町を回っていたというエピソード。
少し悲しくないと面白くないのかもしれへんなぁおれは。その比率がむずかしいねんけど。絶妙な割合なんやろうけど。どっかに悲しさがないと面白くないんかもしれへんな。

しみじみ飲み会のテンションだ。
ただの芸術家になってしまったらあかんと思ってる。芸術家と芸人は違うから…。でもなんかこぉ…ひざまつきたくないやんか。

かっこよすぎるじゃろ。

後半は前日放送のMHKの舞台裏
録画したのを直前に見ていたのでここから特に面白かった。
最初のイメージは
もうちょっとこう…徳の高いことがしたいですね。志の高い。

NHKだしね(笑)
確かに民放とは違うものになっていたとは思う。
ただただ面白いだけじゃなく、見る側に考えさせられるような。
構成作家との顔合わせで、最初からいろんなアイディアを出しまくる松本人志。
やりたいこといっぱい。いっつもこんなこと考えとるんか。
大人たちが会議室で真面目に面白いことを考えてる様子がすでにコントだ。
アイディアをひねり出し、選んでは捨てる。

結婚という人生の転機に立って、かつてのコントを見返して
自分のコントを振り返って見返したときに、やっぱり面白いなと思うのは結局そんなこう…グロテスクなものとかハードな下ネタとかすごいバイオレンス的なものじゃないところがやっぱり面白いなって改めてちょっと思った部分もあるし。


企画会議は進む。
エレファントチューブやアゴずれなどのコントの空気感を出す用語が生まれたことで、
化学反応のようにつぎつぎアイディアが生まれてきていた。

そして、入院期間を経て、撮影の日
ダイナミックアドベンチャーポータブル
撮影スタッフが普通に
“サプライズボールはフル?”
と確認するのに言ってたのが笑えた。
ナレーションも渋い声でこんと用語連発してるし。

ラストのアゴずれオチはアドリブだったらしい。
少しだけ後悔しているとすれば、アゴが痛いって言ったあと後ろの布団に寝ても良かったかなぁ最後ってちょっと思ってるぐらいです。

もう次の戦いが始まってるという感じだった。

プロフェッショナルとは
えーとぉ…素人に、あのぉ、圧倒的な差をつけてチカラを見せ付けることじゃないですかね。うん…と思いますけど。

[PR]
by yuzuruzuy | 2010-10-18 04:16 | 表現

『松本人志のコント MHK』

ごっつとかほとんど観てなかったので、
松本人志のコントを本格的に観るのはほぼ始めてに等しい。
NHKはCMもないし、ネタをじっくり観るには最適。
これから、NHKでコント番組を持つことが芸人の新たな目標になったりして。
公共放送なりの規制はいろいろあるだろうけど、
純粋な芸人にとっては民間放送のほうがもはや不自由なのかも。
それぞれのネタの感想。


≪ダイナミックアドベンチャーポータブル≫
自宅でダイナミックアドベンチャーを楽しむことができる
15万円もする意味不明なマシンを買った男(まっちゃん)
宅配で届き「明日くるとは思ってたんですけど!」と何度も言いながらウキウキ
「どうしよ俺!届けられてるわぁ~」と、のっけから松本ワールド的言い回し。
付属の説明DVDのガイド音声との掛け合いをしながら組み立てる。
エレファンティックチューブとか、ハッピースティックとか、なんやねん(笑)
世界観を壊さないためにあくまでそこにはまっちゃんツッコまない。
理解不能のマシンを何度も「めっちゃええやん」とべた褒め
いきなりシュールすぎる。

一回目は分かりにくかった。
やみつきになりそうな余韻は残ったけど。
観てるほうは分からない、やってるほうは真面目。
そこに生じる違和感が笑いの空気を作るのだろうか。

二回目に観たら、じっくり練られてるんだなぁと分かった。
無駄をなくすためにカット割編集でマシンの位置が移動してたり、
台詞のタイミングや繰り返しとかも考えられてそう。
マシンの動きもとにかくシュール。

あとはオチにも出てきた“アゴずれ”に尽きる。

はまちゃんがおったら、「なんやねんっ!」連発だったと思う。
それがあってこそまっちゃんのボケが爆笑に変わるんかもなぁ。

はまちゃんいないので観ている自分が心のなかで「なんやねんそれ」とツッコんでしまう。
大笑いはできないけど、漂う空気にニヤニヤ笑い。
他人に分からない自分だけの楽しみと考えれば、よくありそうな設定だけど
ダイナミックアドベンチャーポータブル(15万円)
何度も言うけど、シュールやなぁ…


≪劇的!!ビUFOアフター≫
名前のとおり、アノ番組みのパロディ。
NHKでこんなのやってしまうんかぁ。
まっちゃんが匠の役で真面目な演技
“小さいながらも、すてきなUFOだなっていわれるように頑張りました。もう未確認だなんて言わせないぞっていう感じですかね。”
日常とSF的要素を混ぜ合わせた独特の空気感が、『大日本人』と似ている気がした。
最後まで爆発もない、これまた違和感によるクスクス笑い。
長めでちょっと間延びした感があったけど、
ネタの世界にじっくり入り込ませようということなのかな。

こういう無理に笑かせようとしない、ピースフルな笑いは好きです。
いままでダウンタウンの番組見てると笑ってはいけないシリーズとかで不条理なイメージがあったけど、
まっちゃん、こんな笑いも作るのね。
でも、捕らえられた地球人の牢屋まで改装して、改装後は地球人も明るく談笑していたり、
あえて触れないツッコミどころはしっかりあった。
ツッコまないことで生まれる面白さもあるもんね。

ボケをいかに真面目さで隠しつつ、ジワジワ笑いに変えられるか。
そういうとこはNHKっぽい。
微妙と絶妙って言うのは紙一重なんだなぁ。

このコントあたりから、簡単なことはしたくないという
まっちゃんの心意気が伝わってきた気もした。
徐々にまっちゃんワールドが分かってきたような。


≪つぶやけ!アーカイブス≫
NHKの過去の放送の白黒映像にまっちゃんがひと言。
当時は真面目でも今の時代なら笑える映像がたくさんあるのだなぁ。
時代が変われば笑いも変わる。

①三十三間堂の消火訓練
1人1体の仏像を肩に担いで走りまわる消防隊員たち
まっちゃん「国宝の扱い方雑!」

②奇抜な美容健康法
TVで出る素人の有名発明おじさんが作りそうな
いかにも胡散臭い器械で美容に励む女性たち
回転椅子でぐるんぐるんまわされる“回転式体重軽減装置”
最後に出たのが“首吊り式背伸び器”て…いやいや、苦行すぎる。
僕「拷問やん…」
と、自分でもツッコミを考えてみた。
吐き捨てるようにまっちゃん「寿命縮まるわっ」
やはり言葉選びと言い方が面白いねぇ。

③“僕は二つです”
巨漢児ひでたかちゃん(二才)
“ご飯はおおきなどんぶりで、お肉かお魚がなければ食べないという、こだまひでたかちゃん。”
“生後二年八ヶ月で、体重十貫弐百目のデブさんです。”
タイトルと最初の映像だけで噴いた。
二つですって、年齢のことだったんかい…
冷静なナレーションの声と衝撃的な映像とのギャップが激しすぎる。
今これ放送されたら絶対Youtubeで流行るわぁ。
まっちゃん「ひでたかちゃぁん…」
もはやツッコむこともできず(笑)


≪わたしは幽霊を見た!≫
①わたしは幽霊を見た!という人を見た
②わたしは幽霊を見た!というであろう人を見た
③わたしは幽霊を見た!普通に

三段オチ

夫婦が部屋のベランダから向かいのアパートにいる幽霊を見る。
なんとなく雰囲気が好きな大人計画の平岩紙がまっちゃんの妻役で出ていた。
確かに霊感ありそう。

最後は笑いというよりほんとにちょっと怖い。
幽霊を見ているのにぜんぜん驚かない夫婦が生む違和感。
そこが可笑しい。

“あなた、幽霊よ”
“幽霊だねぇ”

“怖いわ”
“怖いねぇ”

“ずーっといると、ずーっと怖いねぇ”

最後のまっちゃんのひと言が残す余韻。
これは笑いなのだろうか?うーむ。


≪答辞≫
逆二中の卒業生答辞
とにかく「逆に」押し。
ジワジワきて、気づいたら声を出して笑っていた。
この前のキングオブコントでまっちゃんがジャルジャルのネタ後に言った
「いつまでも見てられるなぁ。」という言葉
それをそのままこのコントにも言いたい。

難しいこと考えずにこのネタが一番笑えた。
いきなり怒鳴って、素に戻って、
“逆ギレをしてしまいました。”
これにはやられた。
“逆ギレ”は、まっちゃんが流行らせた言葉だ。

“逆に”という言葉を逆にネタの中心に置いたまさに逆の発想。
これからもみんなと逆のことやったるわっていう、
アイディア炸裂の決意表明って感じでした。

最後の
“なんかほんとストレートに、ありがとうございましたぁー!”
は、なんかよく分からんけど逆に泣きそうになりました。

─── 以上 ネタの感想


コントを自然に演じていても、松本人志でないようで松本人志だった。
そういえば、チャップリンもどの映画の中でもいつでもチャップリンだ。
笑いを生んでいるのがチャップリン自身であり、松本人志自身であるからなのか。

友人から聞いた松本人志のエピソードがある。
途上国の難民の痩せ細った子供の写真のネタ(“写真でひと言”)を、笑うことをためらった観客に対して言った言葉。感銘を受けて今でも覚えている。
かなり前に聞いた話なのであいまいだけど、こんな意味のことだった。
“面白くしているのはあくまでもオレ(松本)で、彼らが面白いわけではないし、それで彼らを傷つけているとは思わない。笑わせているのはオレなのだから、オレの発想が面白いのだ。もしかしたらオレは悪かもしれないが、そのオレの発想を笑う客は悪ではないのだ。”

そこまでの信念で生みだされた笑いは、伝わるはずだ。

芸術家は自分の身体を離れた作品で人を感動させるけど、芸人は自分自身で人を笑わせる。
そこが大きな違いなのかも知れない。


お笑い番組ではよくあるわざとらしいスタッフの笑い声もなく、
視聴者に真っ向から笑いとは何かを問う番組だったと思う。


深いねぇ。お笑いは。
[PR]
by yuzuruzuy | 2010-10-17 17:01 | 表現


つまらない、面倒くさいを、面白く。


by yuzuruzuy

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

最新の記事

さらば
at 2014-09-25 04:35
イタいのイタいの、飛んでいけ!
at 2014-06-14 23:03
いろいろあるけれど
at 2014-06-05 03:56
「ママ、しまじろうのお顔、ご..
at 2014-05-04 01:25
ニイハオ
at 2014-04-29 01:21

以前の記事

2014年 09月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 03月
more...

カテゴリ

全体
日記
独り言
つぶや句
読書
映画
広告
写真
表現
SLT
夢日記
屋久島
自転車de東京
欧州一人旅
回文
未分類

タグ

検索

我的書架

ブクログ

その他のジャンル

外部リンク

記事ランキング