<   2010年 04月 ( 7 )   > この月の画像一覧

子供達を責めないで





爆笑問題のラジオで流れてきて衝撃。
少子化以前の結構昔の歌のようだ。
作詞は秋元康。
子供で商売やってるくせにと爆笑問題からも突っこまれてた。

ひねくれてぶっとんでいて、ところどころ何故か説得力があるコトバ選び。
“私は子供に生まれないで良かったと、胸をなでおろしています!”・・・むちゃくちゃ。
大人目線なんだけど、子供みたいにムキになっている口調とのアンバランスがいい。
岡本太郎は、子供と対話するときでも一人の人間として本気で向き合ったという・・・それとはまた本気の質が違うか。笑

伊武雅刀の歌い方というか演技がまたおかしい。
本当は子供に好かれたいらしい。好かれないからいじけた大人。
このキャラで映画とか作れそうだな。

あと、コーラスがこども合唱団だったらなぁ。
[PR]
by yuzuruzuy | 2010-04-27 19:15 | 表現

『無関係な死・時の崖』 安部公房

 9冊目の安部公房文庫。10作からなる短編集。順々に読もうとしたら中断してかなり時間がかったので、数ページ読んで、興味を持った作品から順番に読むと、そこから一気に読破。

『無関係な死』
客が来ていた。そろえた両足をドアの方に向けて、うつぶせに横たわっていた。死んでいた。
自分の部屋で、全く知らない人間の死体を発見した男。すぐに110番すればいいものを、自分が疑われることを恐れてなんとかその立場から逃れようと考え過ぎるあまり、逆に逃げ場を失っていく。思いつくことが、ことごとく自分を追い込むことにつながっていき、最終的に立場が反転してしまっている。
 安部公房作品には、よく、メビウスの輪というキーワードが使用される。一周してもとの場所に戻ってきたときには最初とは反対、裏の場所に着いてしまっている。だから、読者も、気がつくと思ってもみなかった場所に連れ込まれている自分に驚く。


『人魚伝』
 海底で見つけた人魚を愛してしまった男が、自分が用意していた部屋でその人魚を飼っていたつもりが、知らず知らずのうちに逆に人魚の餌として飼育されていたという物語。トリックが明かされていくうちに、どんどん怖ろしくなってくる。
p.303
僕は彼女を自主的に選び、征服したつもりだった。
ところが真相は、ぜんぜんその逆で、ぼくはむしろ肉食用家畜として彼女にとらえられ、
飼育されていたにすぎなかったのである。
恋愛関係に交えて肉食用家畜なんてフレーズを使うところが、数十年前にも関わらず時代を先取りしてる。「自分がいなくちゃ相手は生きていけない」が、いつの間にか「相手のために自分が生かされて」しまっているという、現代社会の相互依存的な人間関係に通じるものがある。それを物語化できる安部氏凄し。この物語も、飼育する側が、一周回って飼育されているという点で、メビウスの輪的な構造になっている。
 人魚の存在を確信し恋するまでの主人公の感情の揺れや彼女を連れ帰ろうとしてとる行動、なぜか情念が眼に向けられた人魚との生活、想像力とコトバの選び方…なんでこんなの書けんの?この作品だけでも読む価値十分。


『時の崖』
 ボクサーの独白形式で、時間もこのボクサーの感覚に伴って進んでいくように思える。試合に負けるとき、それがボクサーにとっての≪時の崖≫である。
p/321
チャンピオンの向う側が、いちばん急な崖なんだからな……そうだろ?
……向うの崖を落ちるか、こっちの崖を落ちるか、それだけのちがいじゃないか……けっきょく、落ちてしまうんだからなあ……いやんなっちまうなあ……
それでも戦わなくちゃあならないボクサーの絶望の中に、人間ってのはそんなもんさと共感する部分もある。
p.306
負けちゃいられねぇよなぁ……勝負だもんなあ……負けるために、勝負してるわけじゃねえんだからなあ……
この最初の書き出しで、僕は一撃KO。ブルーハーツの『未来は僕らの手の中』を思い出した。
<僕らは負けるために、生まれてきたわけじゃないよ。>
 他の作品も怖くて笑えて、安部公房好きには、贅沢な一冊じゃないかな。人により好きな作品が分かれそうなので、他人の意見も聞いてみたい。長編では分かりにくかった安部公房のストーリー手法が少し分かったような気がする。
ショートショートの星新一然り、短編の方が作家の表現を鋭いものにするのかもしれない。


[PR]
by yuzuruzuy | 2010-04-23 23:59 | 読書

松尾スズキの頭ン中

松尾スズキが考えるいい話

世間が求めるいい話にも“なんじゃコレ!”と思わせる要素をぶち込んでくる松尾ワールド
でもそれがこの人にとってリアルないい話なんでしょうな。
エッセイとか読んでも感じるけど、人間や世の中に対しての見方が独特すぎる。
風貌も演技も、怪し過ぎる。
でも中身はとってもいい人だったり、メルヘンだったりする。
メルヘンな雰囲気にグロテスクをぶち込んで台無しにする。
中年ジャパニーズ不条理。

芥川賞作家金原ひとみとの放送できないような内容の対談がぶっ飛んでいて面白かった。
片桐はいりや荒川良々も松尾ワールドだからこそのキャラだった。
意味のわからん台詞の掛け合いも笑いのツボになってしまう。

中身の発想、やるなぁ・・・・。

松尾スズキの頭ン中 [DVD]

フジテレビ



この作品とは関係ないが、昔の松尾さんと温水さん

ものすごくシュールな設定のなかに、普通じゃ気づかないリアルな人間の狂気みたいなものを
入れ込んでるんだと思う。関連動画の大人計画初期の演劇も、コワオモシロい。
ほんまにどんな頭ン中してんのか・・・まだまだ気になるわ。
[PR]
by yuzuruzuy | 2010-04-21 09:47 | 映画

9 SOULS

9人の脱獄囚の物語

かなりシリアスなイメージと
板尾&千原ジュニアの演技に期待して観た

脱獄した9人が荒野を走っているシーンでの、
人物紹介の仕方が刑事ドラマチックだったり
やたら立小便してたり、元AVの帝王役の板尾が牧場の羊とFu〇kしようとしたり
なーんちゃって、ちゃーんなっての掛け合いとか、変にコミカルなところがあって、
テンションが良く分からない。

そうこうしているとそれぞれ脱獄囚のストーリーが始まっては終わっていく。
その繰り返しで、一人ひとりの持つ影についてあまり深く掘り下げられなかった。
説明不十分なまま、暴力シーンが過激で、そこまでやらなくても…と思ってしまう。

監督には世の中に対するかなりの不満があることは分かった。
でも最終的に伝えたいことがなんなのか分からなかった。
分からなくていいのかもしれないし、9人のうち誰かに共感できたらいいのかも知れない。
そのためのストーリーが薄すぎたと思う。

松田龍平演じる主人公の、チャラい弟役が瑛太でびっくり
『鴨とアヒルのコインロッカー』以前に、こんなところで共演していたのか。

割とすぐいなくなったけど、マメ山田って人がいい味出してたな。


付け焼刃のジャックナイフみたいな映画。
あまり感情移入はできなかった。
期待しすぎたかも。

ナイン・ソウルズ [DVD]

ポニーキャニオン


[PR]
by yuzuruzuy | 2010-04-21 09:09 | 映画

変身

主演 森山未來
舞台版 カフカの『変身』

留学中NYのブロードウェイでミュージカル『美女と野獣』は観たけど、自発的に観たくて観に行く本格的な演劇はこれが初めて。昨年から今年にかけて読んでいたカフカ小説の舞台。しかも主演が、いつかのしゃべくり7で武田鉄也もその演技力を絶賛していた森山未來とあって、プレオーダーで注文した。運よくチケットが取れたので、行ってきた。

勝手なイメージで、舞台には部屋の細かい手の込んだ家具や装飾があるのかと予想していたけど、セットは両親や妹などの、登場人物が座る椅子と、虫の骨格をイメージしたような、グレゴールの部屋を取り囲む鉄の骨組みのみで、音楽と照明で、その場面の状況を観客に自然と想像させるような演出だった。観る人それぞれが自分の想像で部屋の情景を生み出せて、より入り込める。その鉄棒と、高い身体能力を最大限に使い、虫の動きを表現する森山未來の演技が鳥肌モノだった。指先など身体の細かい部分や、すべての関節の動きに注目させるような演技で、舞台上で一人、完全に人間ではない何モノかに化けていた。THE表現者。もろ素人の感想だけど、一時間半以上舞台上にいて、何百人に見つめられながら、物語の中にその人たちを引き込んで、ぶっ通しで演技し続けるってことがまず凄い。あらかじめ完成された世界に引き込む小説や映画に対し、作り上げていく過程に観客をダイレクトに連れ込んで作り上げていくのが演劇。役者のプレッシャーは尋常じゃないだろうな。映画にはない緊張感がぴーんと劇場に張り詰めている。

TVや映画では味わえない生きた演技に触れたくて見に行ったけど、そんな冷静な比較もできないほど、想像以上に引き込まれた。カラダが震える。これがLIVEのチカラだぁ。何でもTVやインターネットなどのメディアを通して何でも触れた気になれる世の中だけど、同じ空間で、同じ空気を通してしか感じられないものも大事にしないとな。音楽ライブや海外のサッカーなどを実際に体感してきたここ数年、そういうことを感じています。こんな時代だからこそ、よりホンモノが求められるべきだと思う。3Dが注目されるのもうなずける。でもそれだってあくまでもバーチャルじゃもん。

小説では感じることができなかった登場人物の内面の深い部分まで、演者によって伝わってきた。
戸惑いながらも兄を助けようとする妹グレタの葛藤だったり
母親という役割に縛られたような、表面的な母の愛情だったり
息子に支えてこられながらも、最後まで強情な父親だったり
家族がそれぞれ“孤独”な部分を背負っていて、それらを一気に引き受けて
グレゴールは大きな虫になってしまったのかもしれない。
『変身』は、現代で言えば引きこもりの小説だったんだな。
今回の舞台を観て再発見。
虫になった息子を世間から隠し、次第に邪魔者扱いする家族。
家族の気持ちを知りながら、対話をすることさえできない主人公。
溝は深まる一方で、人間だという記憶さえも危うくなり、
狭い部屋の中を這いずりまわるしかなくなっていく。
起きたら虫になっているという奇抜な発想の裏には
カフカが持っていた深い孤独があったのだ。
だから僕たちは、“変なの!”と思いながらも、共感せざるを得ないんだと思う。


“自由に!自由に!!”

最初から最後まで、悪夢から逃れられずに
孤独の内に死んでいったグレゴールの叫びは
カフカ自身の叫びでもあったのだろう。

公演後の、渦巻くような拍手喝采。
それをほぼ一身に浴びる森山未來(他の演者もいたけど)。
もしも、もしもしもしも、この拍手がすべて自分のためだったなら、
鳴り止むと同時にポックリ死んでもいいと思いつつ、客席で自然と手を叩いている僕がいました。

役者も、歌手も、何かを表現するには、命がけでやってこそ伝わるんだろうな。

言葉にならない、こんな瞬間を生み出すために、生きてみたいもんじゃ。
[PR]
by yuzuruzuy | 2010-04-03 04:39 | 表現

エリ・エリ・レマ・サバクタニ

神は、何ゆえに我を見捨て賜うや

キリストが十字架に掛けられたときの言葉
なんで人は死ぬのか=なんで人は生きるのか

最初から死んでるんだよ おまえは
誰も死なせちゃくれねぇんだよ


映画というよりは音と映像の作品。
ストーリーは、自殺したくなる病気が流行った世界で人が何人か死ぬ。
ほぼそれだけ。キレイな映像と音楽の合間に轟音ノイズが流れる。
言葉に表せない不思議な余韻が残った。

浅野忠信と宮崎あおい
この2人が作品の持つ空気によく合っていた。

人が死ぬ場面がいくつかある。
あぁ、この人死ぬんだな。
そんなふうな雰囲気があって、美しい映像の内に死んで行く。

覚えている 忘れない
すべてが幻だとしても
あなたも私も 音楽のように幻だから
だから覚えている 忘れない
もうすぐ 冬がくる


台詞の少ない映画だった

言葉にならない音にも
ただ僕たちが言葉にできないだけで
それぞれいろんな意味を持っている
生きろとか死ねとか言葉は抜きにして
今聞こえる音に身を任せてみよう

そんな気分になった

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]

バップ


[PR]
by yuzuruzuy | 2010-04-02 00:58 | 映画

石田徹也遺作集

昨年末の日曜美術館特集で紹介されていて
見た瞬間忘れられない衝撃をうけた

TVで観た飛べそうもないボロボロのプロペラ機と一体化した男の絵
その表紙を書店で見つけて思わずページをめくった
役割を与えられて社会にはめ込まれて
でもそのなかで奮闘している現代社会に生きる人々
学校や就職面接、スーツのサラリーマン・・・社会の違和感をこんな風に表せるのか
どの絵にも登場する男の目からあふれ出す孤独感と、笑わせるような人とモノの組み合わせ
冷たいようで温かい、ページをめくるたび息苦しくなりそうだけど、目が離せない
いろんな感情が刺激されて
書店で一人で泣きそうになってしまった

なんでこんな絵が描けたんじゃろ?
描くしかなかった人なんじゃろうなぁ・・・・

石田徹也遺作集

石田 徹也 / 求龍堂


[PR]
by yuzuruzuy | 2010-04-01 15:41 | 表現


つまらない、面倒くさいを、面白く。


by yuzuruzuy

プロフィールを見る

最新の記事

さらば
at 2014-09-25 04:35
イタいのイタいの、飛んでいけ!
at 2014-06-14 23:03
いろいろあるけれど
at 2014-06-05 03:56
「ママ、しまじろうのお顔、ご..
at 2014-05-04 01:25
ニイハオ
at 2014-04-29 01:21

以前の記事

2014年 09月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 03月
more...

カテゴリ

全体
日記
独り言
つぶや句
読書
映画
広告
写真
表現
SLT
夢日記
屋久島
自転車de東京
欧州一人旅
回文
未分類

タグ

検索

我的書架

ブクログ

その他のジャンル

外部リンク

記事ランキング