『苦役列車』

原作読んだその日に観に行った。

隣ではエリカ様のへルタースケルターやってたみたいで、平日のレイトショーにも関わらず結構混雑してるようなことをチケット売り場で小耳に挟んだが、苦役列車は見事にガラガラ。そらタイトルからしてもう客入りそうにないわな。阪急電車みたいにワクワク感を出すためのサブタイトルなんかつけるわけにもいかんわな。

とにかく森山未來の怪演、それに尽きる。
撮影中は実際に繁華街の三畳間の宿に泊まり込み、酒を飲んでむくんだ顔で撮影に臨んだらしい。映画の中にいたのはもはや森山未來ではなく完全に、『苦役列車』の主人公、北町貫多だった。


映画で観て改めて感じたのは、貫多は欲望に対してとことん一途で、それは誰しも青春時代に経験し、大人になるにつれ抑制してきた部分だからこそ、どんなにろくでなしでも、見る側にとって何処か愛すべき人間になっているのだと思った。小説では根っこから偏屈な人間、というイメージだったが、映画では根はまっすぐなんだけど、気持ちを表現する方法を知らずどうしてもひねくれてしまう不器用な人間、というイメージ。森山未來が貫多について、コミュニケーション的な面で周囲から見れば“ターザン”のような存在だと話していたのが言い得て妙。

高良健吾、AKB前田敦子がそれぞれ演じた正二と康子というフィルターを通しての、もし貫多みたいな人間が周りにいたら…という目線と、自分のなかにある貫多と共感し、世の中に対してひねくれた貫多的な目線を行き来しながら見た。正二との別れのシーンでの貫多の台詞と、正二の応えがとても良かった。



ラストシーンにかけてはオリジナルだったので、小説とは別物と思うしかない。落ちて終わり、でも面白かったと思うけど、青春映画らしく希望を残す終わり方だった。


d0137443_912224.jpg


グリーンに惹かれて(?)久々にパンフレット買っちまった。

貫多の日雇いで支給されていた弁当箱の色。

この物語の舞台はちょうど自分が生まれた年代らしい。

自分とはかけ離れたようで、でも何処かシンパシーを感じずにはいられない映画。
[PR]
by yuzuruzuy | 2012-07-21 23:53 | 映画


つまらない、面倒くさいを、面白く。


by yuzuruzuy

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

最新の記事

さらば
at 2014-09-25 04:35
イタいのイタいの、飛んでいけ!
at 2014-06-14 23:03
いろいろあるけれど
at 2014-06-05 03:56
「ママ、しまじろうのお顔、ご..
at 2014-05-04 01:25
ニイハオ
at 2014-04-29 01:21

以前の記事

2014年 09月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 03月
more...

カテゴリ

全体
日記
独り言
つぶや句
読書
映画
広告
写真
表現
SLT
夢日記
屋久島
自転車de東京
欧州一人旅
回文
未分類

タグ

検索

我的書架

ブクログ

その他のジャンル

外部リンク

記事ランキング