『リリィ・シュシュのすべて』

初めて観たのはまだ映画にそれほど興味のなかった、高校二年生のときだったと思う。
なぜわざわざレンタルして観たのかはっきり覚えていない。
そのときはストーリーを掴めず、わけが分からなかったけど、とても強い印象が残った。
目の前に突きつけられるかのような、いじめ、万引き、レイプ、自殺、殺人…
自分がまだ通り過ぎたばかりの年齢の登場人物たちに共感できるような、できないような、でもとにかく、それぞれの痛みをどうしようもなくリアルに感じていた気がする。

見直して気づいたが、この作品に出てくる登場人物たちは、自分と全く同じ年代だった。

1999年、13歳
2000年、14歳

この時期、自分もいろいろあった。痛かったり、楽しかったり。
周囲の環境が良くも悪くも一番刺激的で、それに対する自分自身も一番感受性が豊かな時期だったような気がする。
いろいろ悩んだ気もするけれど、それほど嫌な記憶として残っていないのが不思議。

まぁ、自分のことはさておき…。

何度観ても、映像と音楽の美しさに心を奪われる。
田園の緑を背景に流れるドビュッシーのピアノは一度聴いたら忘れられない。
絶賛し過ぎかもしれないけれど、全てが名シーン。改めて観てもそう思える。
全部にいちいち感想を書いていたらキリがなさそうなくらい。

昔と違って良いなと思ったのは、主人公・蓮見雄一(市原隼人)と母親の自転車二人乗りの場面。
前の展開もあって、あそこはすごく良いシーン。
そして、津田詩織(蒼井優)と雄一が高級レストランで食事する場面の、
「あんたがあたしを守ってよ」という台詞。
始めてみたときには気づかなかったけど、津田は雄一に思いを寄せていたんだ。
そう思ってみると、合唱コンクールのシーンでも、津田が雄一の方を見ていたりして、それも切ない。

何一つハッピーエンドにはならないけれど、思春期の複雑さや脆さが、痛みとともに伝わってくる。
物語の重さに反するような音楽と映像の美しさ。“筆舌に尽くし難い”この言葉がぴったり来る映画。
この映画は、自分にとって一生モノだと改めて思った。

リリイ・シュシュのすべて 通常版 [DVD]

ビクターエンタテインメント


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by yuzuruzuy | 2011-05-21 23:42 | 映画


つまらない、面倒くさいを、面白く。


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