『あしたのジョー』

明日のために、死に物狂いで今日を生きる

見終わってからの正直な感想。この映画の主人公は力石徹だった。そのくらい伊勢谷友介演じる力石の存在感がデカい。初めてキャストを聞いたときには予想できなかったほど、力石になっていた。蛇口のシーンや軽量のシーンは鳥肌。

山Pはちょっと負けてたなぁ。原作の矢吹丈から溢れる野生の狂気が足りなかった気がする。飄々とした感じはあるけど、クールすぎた。ジョーはもうちょいおどけたり、喋るイメージ。

丹下のおっちゃん役の香川照之はもう流石としか言いようがない。この前の井岡の世界戦のゲスト解説でもめちゃくちゃ興奮してたように、ボクシングに向かう姿勢が本物。主人公のサポート的な役を任せたらなんでもできるんじゃないかこの人。

龍馬伝のせいで高杉晋作(伊勢谷)と岩崎弥太郎(香川)がどうしても出てきてしまう自分に反省。小松帯刀の人も出てたし。最近良く映画やドラマを見るせいか役者のイメージが残りすぎていかんいかん。

時間の関係で省かれた所が多々あり、残念な反面、原作を知っていればまぁ納得。紀ちゃんがでてないのはあれっ?と思うけど男ばかりのなかで葉子(香里奈)を際立たせるなら仕方ないか。力石戦後ジョーは一年間行方不明のあと、帰って来るのだか、見終わってから前の席の山P目当てと思われる女の子が“一年も何してたんやろ?(笑)”と話してた。そら漫画読んでなきゃ分からんわな。ほかにも原作ではホセ戦前のロッカールームのジョーと葉子のシーンが泪橋のシーンと重なるなど、変更点にも原作の要素が取り入れられていた。

監督は名前を見てもしやと思い、映画を見てやっぱり。『ピンポン』の曽利文彦監督。試合前のトレーニングシーンの高揚感はピンポンの主人公ペコの特訓シーンを思わせたし、ウルフ金串の中ボス的な描き方は、中村獅童が演じた帝王高校(?)のスキンヘッドそっくりだった。ぐるぐる回すカメラワークや、スローモーション、ポーズなどをつかって、漫画の1コマのようにキャラクターひとりの世界や、戦うふたりだけの空間にスポットを当てるのが上手い。しかもCGなども使ってそれを動かせるのだから、迫力満点。ストーリーをつべこべ言わず、漫画の映像化を楽しめる。パンチを食らったときの波打ち歪んだ表情や飛び散る汗は、映画にしかないエンターテイメント要素。クロスカウンターが決まる瞬間や、ジョーとの試合後、力石が倒れる場面などが特に強烈だった。スラムダンクも実写化するなら(してほしくはないが)この監督かな。キャストはともかく、山王戦の名シーンとか上手く再現してくれそう。

細かいところでは紙ヒコーキと泪橋の隅っに咲いた蒲公英(たんぽぽ)の使い方が良かった。高く高く飛んで行く紙ヒコーキは自由なジョーの生き方。強く咲く蒲公英はボクシングに賭けるジョーの決意。そんなところかな。関係ないけどどちらも19の歌を思い出させた。

あまり出番は多くないけどドヤ街の人々、とくにこどもたちがいい味出してた。

気になっていたラストシーンにもぐっときた。やはり最後は言葉など要らない。拳と拳で語り合うのみ。熱い。

原作好きな人は見て損はないと思う。何より映画館の大画面で再現されているのだし。
[PR]
by yuzuruzuy | 2011-03-09 23:59 | 映画


つまらない、面倒くさいを、面白く。


by yuzuruzuy

プロフィールを見る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

最新の記事

さらば
at 2014-09-25 04:35
きょうこそ
at 2014-07-04 01:31
イタいのイタいの、飛んでいけ!
at 2014-06-14 23:03
いろいろあるけれど
at 2014-06-05 03:56
「ママ、しまじろうのお顔、ご..
at 2014-05-04 01:25

以前の記事

2014年 09月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
more...

カテゴリ

全体
日記
独り言
つぶや句
読書
映画
広告
写真
表現
SLT
夢日記
屋久島
自転車de東京
欧州一人旅
回文
未分類

タグ

検索

我的書架

ブクログ

その他のジャンル

外部リンク

記事ランキング