『PUNK OPERA 時計じかけのオレンジ』

舞台版・時計じかけのオレンジ
演出:河原雅彦
主演:小栗旬

【感想(殴り書き)】
アンソニー・バージェスによる原作と、スタンリー・キューブリックによる映画の両方を踏まえた作品だった。
“選択の自由”という作品のテーマを、2つの結末に託して表現していた。映画しか観たことがなかったので、『時計じかけのオレンジ』が持つ新たな一面を観れた気がする。そして、原作と映画がもつギャップを突くように、この舞台でしか生み出せないようなシーンも多かったと思う。登場人物に、「こんなシーンは原作に無かった!」と言わせたり、休憩前の説明などのライブ感のある台詞は舞台ならでは。ロドビコ療法のシーンをまたいだ休憩中、小栗旬はずっと椅子に拘束され舞台上の箱に閉じ込められている状態で、その間も叫び声が聞こえて、劇は続いているように思わせるなど、不気味な雰囲気が続いていた。そして映画版同様、音楽が良かった。音楽で表現するシーンでは演奏するバンドの姿が舞台上部に透けて見える演出。舞台構造は左右両面が大きな鏡の壁になっている。後ろはヴィジョンになっており、それぞれのシーンに合わせた映像が流れる。主人公が老婆を殺害するシーンでは、老婆の生涯が撲殺されるまで走馬灯のように流れる。ベートーベンの肖像と主人公の顔が重なり合うような映像が特に印象的だった。台詞のナッドサッド語(近未来のスラング)が作品に及ぼす影響も改めて感じた。私生活でも使いたくなるくらい。結末について、いきなり世界が変わってしまったような違和感はあったが、小栗旬の歌声が聴けて観客は満足なんじゃないかな。武田真治が老人役からコミカルな役、目立たない脇役まで、彼とは気づかないような演技で、個人的に一番。もちろん、休憩時間も(おそらく)舞台上にいて、同じ人物とは思えないほどさまざまな顔を持つ主人公アレックスをぶっ通しで演技した小栗旬も凄い。歌はあんま上手くなかったけど、魂こもってた(何様?)。映画の印象が強すぎたので、ちょっと物足りない感じもあった。もっと不気味な作品を予想していたけど、意外に爽やかに思えたのは、2番目の結末の効果だろう。ひとまず原作を読んでみよう。
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by yuzuruzuy | 2011-02-12 23:45 | 表現


つまらない、面倒くさいを、面白く。


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