『まさかジープで来るとは』 せきしろ×又吉直樹

 『カキフライが無いなら来なかった』に続く、自由律俳句集第2弾。今回もお気に入りの句を選んで紙に書き出してみた。ふたりの著者の句には文字で説明しきれない部分に余韻があって、そこ詰まった悲しさや可笑しさが徐々に沁みてくる。たったの一行から情景が自然と思い浮かんで噴出したり、なんともいえない気持ちになるから不思議。
 気に入ったたくさんの句の中から厳選して残してみる。前作同様、又吉贔屓になってしまった。又吉の句のなんとも言えない暗さだけではなく、視点の鋭さや言葉遊びの感覚が好きなんだと思う。一見結びつかない2つの単語を共存させてそのギャップでハッとさせられたりする。そんな句が今回は特に目に留まった。前も書いたけど本で読んだ方が面白いので、書店でページをめくるのがおすすめ。これは自分の記録用として…

せきしろ

・赤子が日光に顔をしかめた

・キリギリスが死んでクワガタが逃げた日

・角から犬犬婆さんの順

・楽しんでますかとステージから何度も

・ひなたぼっこをしているのか置き去りなのか老人

・「ねぎし」って手もある

・言ってることは正しいが寝癖

・今の時間タトゥの店員がレジだ

・これなんだっけそうだコーデュロイだ

・痛いと言えるほど親しくない


又吉

・隣に旅人が住んでいて今は居る

・贔屓目に見ても圧倒的に負けている

・除いた一部の地域に祖母がいる

・敗訴の文字が勝ったみたいに

・カゴの中身でカレーとばれないか

・孫にグーしか出さない祖母が又勝ってグリコ

・奮って参加したわけではない

・急行が徐行している

・何かを成し遂げた顔で始発を待っている

・行けたら行くで来た例しがない

・正論を失笑されている

・昔話みたいな大盛りで来た

・拝啓の次が書けず朝

・全ての信号に引っ掛かりながら早く逢いたい

・喩えなくても解っている

・それ喰ったら行け

・鬼門で転ぶ平凡な男だ

・太鼓を叩き出す前の顔

・合法だが非道

・大盛りという嫌がらせもある

・筒の蓋を抜く卒業の音

・立ちこぎする男のサドルが無い

 句の間に挟まれる散文も笑えるうえに、さらに文学的。特に、又吉の“耳”についての散文が良かった。


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by yuzuruzuy | 2011-02-02 19:36 | 読書


つまらない、面倒くさいを、面白く。


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