『バリバラ』

NHK教育で毎週金曜日20:00~放送されている『きらっといきる』
この番組の毎月最終週放送回で流れているバリアフリーバラエティー
略して『バリバラ』

昨年末に偶然見て衝撃を受けました。
出演しているのは障害者の人々。
障害を持った人々が笑いを通して自分を表現するという趣旨の番組です。

僕が見た放送回でやっていたのは、イギリス公共放送BBCとのコラボレーション企画
むむっ、BBCといえばこの前の被爆者ネタが脳裏を過ぎりますな。
イギリスで実際に放送されているラジオ番組の様子が流れていました。
投稿者の持つ障害の名称を、同じく障害者であるパーソナリティーが質問して当てるというコーナー。
答えとして障害の症状の名前が、日本の感覚ではこんなノリでいいの!?てな勢いで飛び出していました。
しかし出演者たちは陽気にそれらを笑いに変えて放送しています。
さらに、脳性まひの女性コメディアンも登場。
ライブ会場のイギリス人たちは彼女のトークに爆笑。
す、すげぇ…さすがイギリスのユーモア。
そう思うと同時に、これ、日本でやって大丈夫なん?
視聴後、かなーり考えさせられました。
NHK、攻めよるなぁ…

そして年が明けたある夜、テレビをつけるとその『バリバラ』のスペシャル版として、
『笑っていいかも!?』と銘打ち、2時間も放送していたからまたビックリ。
目玉は“SHOW-1グランプリ”という、障害者たちが笑いで戦う企画。
なかでも優勝した“脳性マヒブラザーズ”という脳性まひのコンビによるコントに衝撃。
脳性まひの医者の元に来た、脳性まひの患者。
“体調が悪くて…風邪だと思うんですよ。”そう主張する患者に、
“どこが悪いんですか?”と問診を始める医者、その結果、
“分かりました!あなた…脳性まひですね!”医者が宣告すると、
“いや、風邪だと思います!”と認めない患者。
そんなやりとりの応酬。
自分たちの武器をこれでもかというくらいに生かした、彼らにしかできないコントです。
そこには某局のチャリティ番組にあるようなお涙頂戴的感動はなく、
絶妙な間の取り方や台詞選びに、純粋に笑わされてしまいました。

他の企画ではそれぞれの障害の重さに合わせた距離からスタートする超短距離走や、
障害者が健常者にドッキリを仕掛けるといった際どすぎる内容に、“笑っていいのか!?”状態。
僕は面白い場面には笑いましたが、不快に思う人もいると思います。
また、自分が彼らと同じような障害を持っていたら素直に笑えるのかと問われると、
はっきりとは答えられないとも思います。

NHKらしく、障害について、そしてこの番組の捉え方について討論するコーナーもありました。
その部分だけでなんとか放送する意義を保っていたといっても過言ではありません。

障害について笑わせながら考えさせる斬新かつ大胆な試みに、思わず見入ってしまいました。


自分の経験を思い出しました。
小学校の掃除時間に、特別学級(呼び名は正しいのかな?)の子との掃除を任されたことがあります。
障害の名前は分からないけれど、脳性まひと思われる車椅子のN君と一緒に掃除をしていました。
そのときの自分はどんな気持ちで一緒に掃除していたのだろう?
可哀想という感情はなかったけれど、言葉も通じているのか分からなくて、
N君の分の雑巾を絞って“ここ拭いてね”と話しかけ、返ってくる声色で今日は元気だなとか、機嫌が悪いのかな?などと思うしかありませんでした。
彼は僕のことをどう思っているのか?覚えているのか?などと考えたこともあります。
無意識のうちに境界線を引いていたかもしれません。


中学、高校、大学では障害を持つ人と関わることもなくなりました。
だから久しぶりにこのような番組を通して考えさせられて、
自分の触れていない世界にまた目を向けるきっかけになったと思います。
小学校では、障害者を差別してはいけないと習ったけれど、
そこには話題にすることさえタブーとしている雰囲気があります。
この番組は、その“差”を笑いで埋める試みなのだと思いました。
そして誤解を恐れることなく議論していかなければというメッセージも感じられます。

使い古された表現だけれど、“障害は健常者が作ったコトバ”でしかない。
障害者は不自由なのではなく、むしろその特徴がなければできないことがある。

障害者も健常者も一緒になって笑えたら、
それが本当のバリアフリー。

この前の被爆者を取り上げたBBCの問題とも重なり、
“笑いは世界を救うのか?”
きれいごと(理想)と厳しい現実を結びつけるために笑いはあるのかな。
また深く考えさせられる体験でした。


よいこ日記でごめんやす。

最後に、番組HPに載っていた、障害に関する川柳コーナーからの一句でやんす。

ぼくの皿 おさげします?と 妻に聞く 

レストランで店員が、障害者の“ぼく”のお皿を下げるとき、“ぼく”ではなく妻に聞いたという体験を詠んだもの。

鋭い…



バリバラ、良かったら観てみてください。
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by yuzuruzuy | 2011-02-01 02:12 | 表現


つまらない、面倒くさいを、面白く。


by yuzuruzuy

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