『本の読み方』 『小説の読み方』 平野啓一郎
読書方法についての本は今までいくつか読んできたが、読書の効能を書き連ねた精神論に近いものが多かった。この2冊は、本、小説の読み方について、芥川賞作家の平野啓一郎氏が独自の理論で分かりやすく説明し、同じ本の中で他の作家たちの著作を使った実践篇として具体的に書かれている。
筆者が勧めているのはスローリーディングという、速読とは正反対の読書法。速読が、「明日のための読書」なら、スローリーディングは「5年後、10年後のための読書」と筆者は言う。ひとつの文章に込められているさまざまな情報を取りこぼさずに、書き手の視点に立ち、また自分なりの解釈(豊かな誤読)も大切にする。一冊の本を、より広く、深く読むための「量」より「質」の読書。
小説家は、助詞や助動詞にまで気を配っている。何気ない描写の文章も、後につながる「伏線」となっている。そこで読み流さずに立ち止まって、“なぜ作者はこう書いたのか?”“もし自分ならどう書くか?”主体的に考えることが重要。このようなことは他の本にも書かれていることだと思うけど、実際に読書中に実践するのは難しい。しかし実践篇での筆者の分析はとても分かりやすく、例題として取り上げられている文章も文豪から現代小説家まで幅広いので、なるほど~と唸りながら読み進めた。とにかく目の付け所が細かい。
並みの読者ではここまで深く読めといわれても…という気はする。ただただ、小説家たちの緻密な文章構成力と筆者の分析力に感服した。書き手の視点に立った読書は、自分で文章を書くときにも役立つ。従って、本、小説の読み方の本でありながら、かつ文章の書き方の本でもあると思った。筆者はすべて実践する必要はないと書いているが、読書の心構えとして頭の中の引き出しに入れておき、読む本に合わせて使える項目を実践していきたい。
筆者が勧めているのはスローリーディングという、速読とは正反対の読書法。速読が、「明日のための読書」なら、スローリーディングは「5年後、10年後のための読書」と筆者は言う。ひとつの文章に込められているさまざまな情報を取りこぼさずに、書き手の視点に立ち、また自分なりの解釈(豊かな誤読)も大切にする。一冊の本を、より広く、深く読むための「量」より「質」の読書。
小説家は、助詞や助動詞にまで気を配っている。何気ない描写の文章も、後につながる「伏線」となっている。そこで読み流さずに立ち止まって、“なぜ作者はこう書いたのか?”“もし自分ならどう書くか?”主体的に考えることが重要。このようなことは他の本にも書かれていることだと思うけど、実際に読書中に実践するのは難しい。しかし実践篇での筆者の分析はとても分かりやすく、例題として取り上げられている文章も文豪から現代小説家まで幅広いので、なるほど~と唸りながら読み進めた。とにかく目の付け所が細かい。
並みの読者ではここまで深く読めといわれても…という気はする。ただただ、小説家たちの緻密な文章構成力と筆者の分析力に感服した。書き手の視点に立った読書は、自分で文章を書くときにも役立つ。従って、本、小説の読み方の本でありながら、かつ文章の書き方の本でもあると思った。筆者はすべて実践する必要はないと書いているが、読書の心構えとして頭の中の引き出しに入れておき、読む本に合わせて使える項目を実践していきたい。
by yuzuruzuy
| 2010-11-11 15:46
| 読書
つまらない、面倒くさいを、面白く。
by yuzuruzuy
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