『カキフライが無いなら来なかった』 せきしろ×又吉直樹

 ダイナマイト関西にも出てた文筆家・せきしろ。お笑いコンビ・ピースの又吉。又吉のブログの文章とか些細な出来事を見る視点が好きでよく読んでいたので、購入して読んでみた。題名もくだらないようで文学的。自由律俳句と呼ばれるつぶやきとその合間に散文。
 普通なら言葉にせずにただ見過ごしてしまうけど、言葉にすると笑えたり、物語があったりして、たった一行でいろんなことを想像できる、文学的なあるある集。生活や街歩きで面白い発見をするための視点をふやす参考書にもなりそう。
 個人的に贔屓な部分もあるけど、やっぱり又吉の方が面白い。散文では又吉の『ファーストキスが太宰の命日』
と『バイト先で二番目に面白いらしい』のオチが特に笑えた。
 見た光景とか小さい出来事を言葉にしてみることで世間が滑稽になったり、感動的になる。自由律俳句は、自分が面白いと思ったことに見出し、タイトルをつける作業に近い。コレって今やネット上でみんながやってることかもしれない。ブログとかtwitterが広まってる現代だからこそ生まれた本ですな。そのうち有名人のtwitter本とかも出るんじゃろうなぁ。普通のつぶやきが文学になる時代…良いのか悪いのか、どっちじゃろ?
 句のほうは全部で469句。気に入った句を紙に書き出したうちからいくつか残しておく。他にも好きなのがたくさんあったけど書ききれないので、気になったら買ってゆっくり読むのをおすすめしたい。ページをめくりながら本の中の活字で言葉を追うと全然違う。どこか切なさが加わるというか、染み込んでくるというか、活字の不思議…。行間や文字の大きさもイメージを膨らますには必要だ。字体もゴシックではまるで印象が違う。ブログじゃゴシックで統一されるのが残念。ケータイメールの字体も明朝体にできたら、メールのやりとりにも味が出るかもしれない。まぁ、それはそれで渋すぎるか。

 ここまで読んで既に読みたくなった方がもしいればひとまず本屋へGOです。読んだ方は好きだった句教えてください。
“せきしろ”

・蚊に刺されるために生きたような日だ

・醤油差しを倒すまでは幸せだった

・メガネが曇ったもう負けでいい

・その言葉は数年後不意に僕を襲うだろう

・昨年の節分の豆が転がっている

・号泣しながらも三輪車は漕いでいる

・勝利の女神が気を遣い始める

・部屋に蜂が入ってきたもうだめだ


“又吉”

・心中を断られて泣いた

・愚直なまでに屈折している

・「草分け的存在」もっと良い表現は無かったのか

・哀しき言葉の一つとして原動機付自転車免許

・お食事処しかない

・クラス写真折り曲げ二人きり

・別に咲かなくても良かった花とか

・このままでは可決されてしまう

・我が乳首を舐めようと試みた八歳

・ACミラン対ローソンみたいな草サッカー

・いきなり上級生が遠投を見せつけてきた
 この前のアメトークにも出ていた気にしすぎ芸人ピース又吉。コントもピースフルな感じで面白いのでおすすめ。

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by yuzuruzuy | 2010-08-28 20:22 | 読書


つまらない、面倒くさいを、面白く。


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