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『ジーキル博士とハイド氏』 スティーヴンソン

 狂気シリーズ、今度はイギリス文学。高校時代の読書感想文のために買ってずっと読まずにいた一冊。こんなにすんなり読めるものだったのかというのが正直な感想。
 二重人格モノといってもドストエフスキーほど内心のもがきを執拗に書くのではなく、事件的なストーリーや、手記を読むのような書き方など、推理小説の要素が入っているのがいかにもイギリスだなと思った。「あいつが“Mr.Hyde(hide)”なら、おれは“Mr.Seek”になってやる」(p.21, l.13)なんてジョークも英語圏ならではで気に入った。
 科学の力で人間の二元性を証明しようとしたジーキル博士は、解放された悪の姿ハイド氏とともに破滅へ向かってしまう。二重人格という言葉で簡単に片付くものじゃない。誰の中にも善と悪だけではまとめきれない様々な性格がありその間で揺れ動いている。良い人だと思われていたが突然殺人を犯すと、「あの人が何故?」なんて場面がニュースで流れることがあるけど、そんな人はこの本を読みなさいといいたい。
わたしはあえて推論する、人間とは究極のところ、ひとりひとりが多種多様のたがいに調和しがたい個々独立の住民の集団のごときものに過ぎないものとして把握されるだろう、と。
p.91, l.15~


by yuzuruzuy | 2010-01-19 15:16 | 読書


つまらない、面倒くさいを、面白く。


by yuzuruzuy

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